夜中に去来する

それは寂しさか、恋しさか、愛しさかわからない。

誰に向けたものかもわからない。

あの子への恋心はもうない。

その代わり生傷が残ってる。

本当に嫌だ、あの人を嫌いにはなっていない。

だけどあの人にしたことされたことの全てがバカみたいに俺を苦しめる。

今吐いたその言葉たちに嫌悪すら覚えるのに、最後に俺の元にその嫌悪が帰ってくる。

お前が美しかったその時に、なぜにその美しさに賛美を送らなかったのだろうと

自分の傲慢と怠慢にほとほと嫌になる。

自分が嫌いな自分を見せつけられている。

不甲斐ない。

お前のあの瞬間の言葉に

あの前の静けさに

あの後の猛々しさに

俺がどれほど傷ついたかと叫びたくなる。

まだ、まだ癒えない、言えない。

だからその思いがいつまでも俺のこころの底に沈んで、やがて自戒へと結びつく。

バカだとわかっていても、やめられない。

だけど愛しているのは貴女だけ。

貴女に安心してもらいたい幸せを与えたい。

あの人を2度とほのめかしてはいけない。